スマホに届く「怪しい電話」の見分け方と安全な対処法
スマートフォンは、ご家族やご友人との連絡、調べものなど、私たちの暮らしに欠かせないものとなりました。しかし、残念ながら、この便利なスマホを利用して、私たちをだまそうとする「怪しい電話」も増えています。
こうした電話は、大切な財産を失うことにつながるだけでなく、精神的にも大きな負担となります。しかし、手口を知り、正しい対処法を身につけていれば、被害を防ぐことができます。
このページでは、スマホにかかってくる可能性のある詐欺電話の手口と、それを見分けるポイント、そしてどう対応すれば安全かについて、分かりやすく解説します。安心してスマホをお使いいただくために、ぜひ最後までお読みください。
増えている「怪しい電話」の手口
最近よく聞かれる詐欺電話には、さまざまな種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
- オレオレ詐欺・親族を名乗る詐欺: 息子さんやお孫さんなどを名乗り、「事故を起こした」「会社の書類をなくした」「借金がある」などと言って、すぐにお金が必要だとせかしてくる手口です。声が違っても「風邪をひいて声がおかしい」などと言い訳をすることがあります。
- 架空請求詐欺: 「有料サイトの未払いがある」「利用料金が滞っている」など、身に覚えのない理由で突然お金を請求してくる手口です。電話口で強い口調で支払いを迫ったり、「裁判になる」などと脅したりすることもあります。
- 還付金詐欺: 税金や医療費、年金などの「還付金がある」と公的機関の職員などを名乗り、ATMを操作させたり、インターネットバンキングで送金させたりする手口です。ATMで還付金が受け取れることはありません。
- 公的機関なりすまし詐欺: 警察、裁判所、市役所、銀行などを名乗り、「あなたの口座が悪用されている」「個人情報が漏れている」などと言って不安をあおり、お金や個人情報をだまし取ろうとする手口です。
これらの手口に共通するのは、「すぐに決めさせようとする」「不安をあおる」「お金や個人情報を聞き出そうとする」といった点です。
「怪しい電話」を見分けるためのポイント
かかってきた電話が怪しいと感じたら、これから挙げる点に注意してみてください。
- 知らない電話番号からの着信: 電話帳に登録していない知らない番号からの電話には注意が必要です。特に、国際電話を示す「+」から始まる番号や、フリーダイヤルではないのに見慣れない市外局番などからの電話は、より慎重に対応することをおすすめします。
- 急な金銭の要求: 電話の相手が、急にお金を用意するように求めてきたら、詐欺の可能性が高いです。「今日中」「すぐに」などと、考える時間を与えずに急がせるのも特徴です。
- 個人情報の確認を求める: 電話で、氏名、住所、生年月日、銀行の口座番号、キャッシュカードの暗証番号、家族構成などの個人情報を詳しく聞き出そうとする場合も、警戒が必要です。公的機関や銀行が、電話でこれらの情報を聞き出すことはほとんどありません。
- 「あなたしか頼れない」などと秘密にさせようとする: 家族や他人に相談させないように、「他の人には言わないでほしい」などと言ってきます。これは、詐欺だと気づかれるのを防ぐためです。
- 公的機関や有名企業を名乗るが、どこか不自然: 実在する組織の名前をかたっていても、話し方や対応が事務的でなかったり、連絡先が携帯電話の番号だったりする場合は、なりすましの可能性があります。
これらのポイントに当てはまる場合は、すぐに詐欺電話だと決めつける必要はありませんが、「怪しい」と疑って慎重に対応することが大切です。
「怪しい電話」への安全な対処法
怪しい電話がかかってきた場合に、どうすれば安全に対応できるか、具体的な方法をご紹介します。
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知らない番号からの電話にはすぐに出ない: 電話がかかってきても、知らない番号の場合はすぐに出ず、まずは誰からの電話かを確認することを考えてみましょう。多くのスマホには「留守番電話」機能があります。メッセージが残されていれば、相手が誰か、用件は何かを確認できます。もし怪しい電話であれば、メッセージを残さないことが多いです。
- 留守番電話の設定: ご利用の通信会社や機種によって設定方法が異なりますが、設定メニューや電話アプリから設定できます。ご家族や携帯ショップに相談するのも良いでしょう。
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もし電話に出てしまったら:相手の情報を聞き出す、即答しない: うっかり電話に出てしまっても、慌てる必要はありません。
- 相手の名前や所属、用件を冷静に聞き出します。
- 「すぐに」と言われても、その場で返事をしたり、要求に応じたりしないようにします。
- 「一度家族と相談します」「改めてこちらから連絡します」などと言って、一旦電話を切ることを目指します。
- 絶対に、電話口で個人情報や口座情報、暗証番号などを伝えてはいけません。
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いったん電話を切る勇気を持つ: 相手から強く言われたり、不安をあおられたりしても、少しでも怪しいと感じたら「確認しますので失礼します」などと言って、電話を切りましょう。相手が再びかけてくることもありますが、出ないようにすれば大丈夫です。
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家族や信頼できる人に相談する: 怪しい電話があったことを、すぐに家族や信頼できる人に話して相談しましょう。一人で悩まず、誰かに話すことで冷静になり、適切な対応を考えることができます。
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消費生活センターや警察に相談・通報する: 「これって詐欺かも?」と思ったら、地域の消費生活センターや警察相談専用電話「#9110」に相談してください。実際に被害に遭ってしまった場合は、迷わず110番通報しましょう。
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迷惑電話の着信拒否設定を活用する: 一度かかってきた迷惑電話の番号は、スマホの機能を使って着信拒否設定をすることができます。これにより、同じ番号から二度と電話がかかってこなくなります。
- 着信拒否設定の方法: 電話の着信履歴から、該当の番号を選び、「着信拒否」「この発信者をブロック」といった項目をタップして設定します。詳しい手順は、お使いのスマホの機種によって異なりますので、取扱説明書を確認するか、携帯ショップで聞いてみてください。
まとめ
スマホにかかってくる「怪しい電話」から身を守るためには、手口を知り、「怪しい」と感じるポイントに気づくことが大切です。そして、急な要求には応じず、一人で抱え込まずに誰かに相談するという対処法を覚えておくことが非常に重要です。
留守番電話機能や着信拒否設定など、スマホの機能を活用することも、安全を守るための有効な手段です。
もし、かかってきた電話について少しでも不安に感じることがあれば、まずは落ち着いて電話を切り、ご家族や消費生活センター、警察に相談してください。
これらの対策を知っておくことで、より安心してスマートフォンをご利用いただけるようになります。