スマホで薬や健康の情報を調べる:信頼できるサイトの見分け方
はじめに:スマホで健康情報を調べる機会が増えた方に
最近では、風邪気味かな、この薬はどんな効果があるのだろう、といった時に、お手元のスマホでインターネットを使って調べる方が増えています。知りたい情報をすぐに手に入れられるのは、とても便利なことですね。
一方で、インターネット上には様々な情報があふれており、中には正確でないものや、古い情報も紛れています。特に健康や医療に関することは、間違った情報に影響されてしまうと、かえって体に良くない結果を招いてしまう可能性もゼロではありません。
この記事では、スマホを使って薬や病気、健康に関する情報を調べる際に、「これは信頼できる情報だな」と見分けるための大切なポイントをご紹介します。安全に、そして賢くスマホを活用して、毎日の生活にお役立ていただければ幸いです。
なぜ健康情報の「信頼性」が大切なのでしょうか?
インターネットで簡単に情報を得られるようになったからこそ、その情報が正しいかどうかを見極める力が重要になります。
例えば、ある症状について調べたとして、信頼性の低い情報だけを信じてしまうと、本来受けるべき専門医の診断が遅れてしまったり、効果のない民間療法に頼ってしまったりするかもしれません。薬についても同様で、誤った情報をもとに自己判断で使用すると、思わぬ副作用や危険につながることもあります。
ご自身の体に関わることですから、できるだけ正確で、根拠に基づいた情報を得ることが大切なのです。
信頼できる情報源を見分けるためのポイント
では、どのような情報源を見れば信頼できるのでしょうか?以下の点を参考にしてみてください。
1. 情報を提供している「運営者」を確認する
ページのどこかに、その情報を提供している組織や個人の名前が書かれています。信頼できる情報源としては、以下のようなものが挙げられます。
- 国や自治体の機関: 厚生労働省、国立感染症研究所、各自治体の保健所など。公的な機関の情報は、国としての方針や正確な統計に基づいていることが多いです。
- 医療機関や研究機関: 大学病院、国立がん研究センターなど。専門家が集まる機関の情報は、医学的な根拠に基づいています。
- 学会や専門家団体: 日本医師会、日本薬剤師会、各病気に関する学会など。専門分野のプロフェッショナルが集まって作成した情報は、非常に信頼性が高いと言えます。
- 製薬会社や医療機器メーカー: 企業が提供する情報ですが、自社の製品に関する情報や病気に関する一般的な解説など、科学的な根拠に基づいたものが多いです。ただし、特定の製品を推奨する目的の場合もありますので、情報の全てを鵜呑みにせず、あくまで参考とする視点も持ちましょう。
確認の仕方: 多くのウェブサイトでは、ページの一番下(フッターと呼ばれる部分)や、「サイトについて」「運営者情報」といったリンク先に運営者の情報が記載されています。
2. 情報が「いつ」公開・更新されたかを確認する
医療や健康に関する情報は、新しい研究によって日々更新されることがあります。古い情報のままでは、現在の医学的な常識と異なっている場合もあります。
情報が公開された日付や、最終更新日が明記されているかを確認しましょう。特に治療法や薬の情報は、比較的新しいものが望ましいことが多いです。
確認の仕方: 記事のタイトル周辺や、記事の一番下などに「公開日」「更新日」として日付が記載されているか探してみてください。
3. 情報の「根拠」が示されているかを確認する
信頼できる情報源は、「〇〇という研究結果に基づいています」「厚生労働省の△△という統計データから引用しています」といったように、その情報の根拠を示していることが多いです。
具体的な研究論文の名前や、参照元のサイトへのリンクが貼られている場合は、より信頼性が高いと言えます。個人の体験談や感想だけでなく、科学的なデータや統計に基づいた情報を選びましょう。
4. 広告表示に注意する
特定の健康食品やサプリメント、民間療法などを強く勧めるようなサイトは、広告収入を目的としている場合があります。効果を保証するような断定的な表現や、個人的な体験談だけを根拠としている情報には注意が必要です。
情報と広告が区別されているか、冷静な目で判断することが大切です。
信頼できる情報源を探す具体的な方法
これらのポイントを踏まえて、スマホで情報を見つけるにはどうすれば良いでしょうか?
1. 検索エンジンで探すときの工夫
Googleなどの検索アプリで情報を探す際に、キーワードに加えて「〇〇(病名や薬の名前) 厚生労働省」「〇〇 病院」「〇〇 学会」といったように、信頼できる運営者や組織の名前を加えて検索すると、目的の情報にたどり着きやすくなります。
2. 特定の信頼できるサイトを知っておく
いくつか信頼できる健康情報サイトを知っておくと便利です。
- 厚生労働省のウェブサイト: 政策情報だけでなく、病気や健康に関する統計、Q&Aなどが掲載されています。
- 政府広報オンライン: 国の様々な取り組みや、健康に関する情報が分かりやすくまとめられています。
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所: 医薬品や健康食品に関する研究成果や、ファクトシート(正確な情報)などが公開されています。
- 各大学病院や研究機関のウェブサイト: 専門的な病気や治療法に関する情報が掲載されていることがあります。
- Mindsガイドラインライブラリ: 診療ガイドラインなど、専門家向けの情報を分かりやすくまとめたものもあります。
これらのサイトをスマホの「お気に入り」に登録しておくと、すぐにアクセスできて便利です。
注意すべき情報源とは?
逆に、以下のような情報源には注意が必要です。
- 個人のブログやSNS: 個人の体験談は参考になることもありますが、それが全ての人に当てはまるわけではありません。医学的な根拠に基づいているとは限らないため、鵜呑みにするのは危険です。
- 極端な体験談を強調するサイト: 「これで病気が劇的に治った」「医者も知らない方法」など、あまりに都合の良い話ばかりが書かれている場合は注意が必要です。
- 特定の健康食品やサプリメント、高額な商品を強く推奨するサイト: 広告目的である可能性が高く、情報の客観性に欠ける場合があります。
- 運営者情報が不明確なサイト: 誰が情報を提供しているのか分からないサイトは、信頼性が低いと考えられます。
まとめ:上手に情報と付き合うために
スマホで健康や薬の情報を調べることは、ご自身の体について理解を深める上でとても役立ちます。しかし、インターネット上の全ての情報が正しいわけではないことを覚えておきましょう。
- 情報源(誰が書いたか)
- 情報が新しいか(いつ書かれたか)
- 根拠が示されているか
これらのポイントを意識して、冷静な目で情報を判断することが大切です。
もし、インターネットで得た情報について不安を感じたり、ご自身の症状や薬について詳しく知りたい場合は、必ず医師や薬剤師といった専門家にご相談ください。インターネットの情報はあくまで参考として、最終的な判断は専門家と一緒に行うことが、ご自身の健康を守るための一番の方法です。
賢くスマホを活用して、安心して健康情報を手に入れてくださいね。