スマホで銀行の用事を済ませる:安全な銀行アプリの使い方
スマホで銀行の用事を済ませませんか?
スマートフォンをお使いの皆さんの中には、「基本的な操作はできるけれど、銀行のアプリは少し難しそう」「便利なのは分かるけれど、安全なのか心配」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ご安心ください。銀行のアプリ(これを「銀行アプリ」と呼びます)を使えば、わざわざ銀行の窓口やATMに行かなくても、ご自宅にいながらスマホで残高を確認したり、家族や知人に送金(振込)したりといった銀行の用事が済ませられるようになります。
このアプリを安全に使うための大切なポイントをしっかり押さえれば、スマホは毎日の暮らしをさらに便利にする頼もしい道具になります。この記事では、銀行アプリの始め方から、よく使う機能、そして何よりも大切な「安全に使うための注意点」について、一つずつ丁寧にご説明いたします。
銀行アプリでできることとは?
銀行アプリを使うと、主に次のようなことができます。
- 口座の残高を確認する:今、自分の口座にいくらお金が入っているか、いつでもすぐに確認できます。
- 入出金明細を確認する:いつ、どこからお金が入ってきて、いつ、何にいくら使ったか(引き落とされたか)が一覧で分かります。通帳を記帳するのと同じようなものです。
- 振込をする:他の口座にお金を送ることができます。離れて暮らす家族への仕送りや、友人への立替金の支払いなども、スマホから手軽にできます。
- 定期預金の手続き:定期預金を作ったり、解約したりといった手続きができる銀行アプリもあります。
これ以外にも、税金や公共料金の支払い、住所変更の手続きなど、様々なサービスが使えるようになっていますが、まずは残高確認や振込といったよく使う機能から試してみるのがおすすめです。
銀行アプリを始める前の準備
銀行アプリを使うには、まずお使いの銀行が提供している公式アプリをスマホにインストールする必要があります。
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お使いの銀行の公式アプリを探す:
- まずは、ご利用の銀行のウェブサイトを見てみましょう。必ず公式のアプリが紹介されています。「○○銀行 アプリ」といった言葉でインターネット検索してみるのも良い方法です。
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または、スマホのアプリを探す場所(iPhoneなら「App Store」、Androidスマホなら「Google Playストア」)で、銀行の名前を正確に入力して検索してみてください。例えば「みずほ銀行 アプリ」「ゆうちょ銀行 アプリ」のように検索します。
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注意点:銀行を装った偽物のアプリも存在すると言われています。必ず銀行の公式サイトで案内されているアプリか、App StoreやGoogle Playストアで提供元(開発者)がその銀行名になっていることを確認してからダウンロードしてください。
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アプリをダウンロードしてインストールする:
- 見つけた公式アプリの画面で、「入手」や「インストール」といったボタンをタップすると、スマホにアプリが入ります。
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初期設定(口座情報の登録など):
- アプリを初めて開くと、お使いの口座情報(店番号、口座番号、氏名、生年月日など)や、キャッシュカードの暗証番号、登録している電話番号などを入力して、本人確認を求められます。
- この際、インターネットバンキングの契約が必要な場合や、アプリ専用のパスワードやログイン方法(指紋認証や顔認証など)を設定する場合があります。画面の案内に従って、慌てずに正確な情報を入力してください。
- 本人確認の方法は銀行によって異なります。電話番号での認証や、顔写真付きの本人確認書類の撮影が必要になることもあります。
銀行アプリの基本的な使い方(残高確認・振込)
アプリの初期設定が終われば、すぐに使い始めることができます。画面の表示や操作方法は銀行によって少しずつ異なりますが、基本的な流れは共通しています。
残高を確認する
多くの銀行アプリでは、アプリを開いてログインすると、最初に口座の残高が表示されるようになっています。
- アプリを開く
- ログインする(設定したパスワードや指紋、顔認証などで)
- 画面に表示された残高を確認する
これでいつでも簡単に残高が分かります。
入出金明細を確認する
「入出金明細」や「お取引明細」といった項目をタップすると、これまでの取引履歴を見ることができます。
- アプリを開いてログインする
- 「入出金明細」やそれに類するメニューを探してタップする
- 表示された一覧で、いつ、どんな取引があったかを確認する
表示する期間(過去1ヶ月、3ヶ月など)を選べるアプリが多いです。
振込をする
振込は、少し慎重に行いたい操作です。
- アプリを開いてログインする
- 「振込」や「送金」といったメニューを探してタップする
- 振込先の情報を入力する画面になります。
- 銀行名、支店名、口座の種類(普通預金や当座預金など)、口座番号、受取人名を入力します。以前に振込をした相手なら、「振込先一覧」や「登録先」から選べる場合があり、便利です。
- 振込したい金額を入力します。
- 入力した情報に間違いがないか、必ず何度も確認してください。特に、口座番号や受取人名の間違いは、正しく振り込めない原因となります。
- 確認画面が表示されます。金額、振込先、振込依頼人名(ご自身の名前)などを最終確認します。
- 振込を確定するための操作を行います。この際に、アプリで設定したパスワードや、ワンタイムパスワード(その時だけ有効な使い捨てのパスワード)の入力が求められることがあります。
- 振込完了の画面が表示されたら終了です。念のため、振込が完了したことを示す画面などをスクリーンショット(スマホの画面を画像として保存すること)で残しておくと安心です。
銀行アプリを安全に使うための大切な注意点
銀行アプリは便利ですが、お金に関する情報を取り扱うため、安全に使うことが非常に大切です。以下の点に注意しましょう。
- アプリは必ず公式のものを使う:これは初期設定のところでも述べましたが、非常に重要です。App StoreやGoogle Playストアで提供元が銀行名になっていることを必ず確認してください。
- ログイン情報(パスワードなど)は厳重に管理する:アプリにログインするためのパスワードや、振込の際に使う認証番号などは、他の人に見られないように、また他のサービスと同じものを使い回したりしないようにしましょう。推測されにくい複雑なパスワードを設定するのが望ましいです。最近のスマホであれば、指紋認証や顔認証といった、より安全で簡単なログイン方法が使える場合が多いです。
- 不審なメールやメッセージに注意する:銀行からのお知らせを装ったメールやSMS(ショートメッセージサービス)で、「セキュリティ強化のため」などと偽ってIDやパスワードの入力を促すものがあります。これらは「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口です。銀行がメールやSMSで直接ログイン情報の入力を求めることは基本的にありません。そのようなメッセージが届いたら、絶対にリンクをタップしたり、情報を入力したりしないでください。心配な場合は、自分で改めて銀行の公式サイトにアクセスするか、銀行に直接電話で確認しましょう。
- 公共のWi-Fiでの利用は控える:カフェや駅などで提供されている誰でも使える無料Wi-Fiは、セキュリティが十分でない場合があります。銀行アプリのように大切なお金の情報をやり取りする際は、ご自宅の安全なWi-Fiや、スマホの電話回線を使ったインターネット接続(「モバイルデータ通信」と呼びます)を利用するようにしましょう。
- スマホにセキュリティ対策をする:お使いのスマホにセキュリティソフトを入れたり、OS(スマホを動かす基本システム)を常に最新の状態に保ったりすることも、安全な利用につながります。
まとめ
スマホの銀行アプリは、使い方を覚えれば、ご自宅や外出先からでも銀行の用事を済ませられる便利なツールです。残高確認や振込など、日常的によく使う機能から試してみてください。
ただし、安全に使うためには、公式アプリの利用、ログイン情報の厳重な管理、そして不審な連絡への注意が欠かせません。この記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひ安全に銀行アプリを活用して、日々の暮らしをさらに「らくらく」にしてください。
もし操作方法で分からないことがあれば、無理をせず、ご家族に聞いたり、銀行の窓口や電話サポートに問い合わせてみることも考えてみましょう。